荷物は座らない
貴方は電車に乗っていますか。
電車は良いですね。速いです。ひとたびトップスピードに乗れば車でも味わえないような疾走感に包まれる事が出来ます。
移動手段としては安価かつ高速で、しかも東京のように路線がそこかしこに張り巡らされているような地域ではなくてはならない大変便利な足です。
逆に車では駐車料金もバカにならず、電車賃よりも高くついてしまうこともしばしばです。
そんな便利な電車ですから、利用者が多いのは至極当然のことです。
特に朝のラッシュアワーと呼ばれる時間はホームも車内も人であふれ、
すし詰め状態にスリと痴漢が大喜び辛い思いをしている方も少なくないのではないでしょうか。
個々人がそれぞれマナーを守り、お互いに快適な通勤・通学を心掛けたいものです。
という訳で、今日のテーマは「電車で会ったマナーを知らない女」です。
今週の月曜日の事でした。
いつものように気だるい朝を迎え、定期券で電車に乗り学校へ向かう途中。
始業時刻にギリギリに間に合う時間に家を出るのが習慣になり、自然と乗車する電車も同じ時間の車両になるのですが、
人が少なくほぼ確実に座れるのは大変有難い状況です。
そしてこの日も座ることが出来ました。
しかし、隣に座った女が最悪でした。
隣に私が座っているというのに、お構いなしに座席にバッグを置いているのです。
そこで即刻ぶち切れるほど堪忍袋の緒が細い人間でもありませんので、まあ少しくらいなら我慢してやろうかと思い放置しておりました。
そのままで一駅を過ぎた頃でしょうか。
あろうことか、その女が私の方にバッグを押し付けてくるのです。
あたかも「アンタ邪魔なのよ」と言わんばかりに。
ええ、到着駅まで寝ようと思っていたところを起こされたからぶち切れですよ。
そんなに頑丈じゃねえな、堪忍袋の緒。
お前のバッグが邪魔なんじゃー！
そんな勢いで私がバッグどけてやろうとした瞬間です。
そこにはもうものすごい勢いでバッグを取る女がいましたね。
私が大好きなbeatmaniaIIDXで例えれば、ダブルプレイでオブジェがスクラッチと鍵盤が離れた箇所に同時に落ちてきて、
手を伸ばしても両方取るのは無理なので片方を取ってすぐにもう片方を取るくらいの素早さでした。
わかりやすく例えれば、熱い物を触った瞬間に咄嗟に手を引いてしまうような速さです。
そして女がほざいた言葉が「泥棒！」です。
何処の世界に駅を出たばかりで逃げ場所も無く、
座したまま隣に座っている人のバッグを中身ではなく丸ごと盗って行こうとする盗人がいるのでしょうか。
こいつの頭の悪さは相当なものです。
そこまでしてもその女は理解できていないようなので、「座席に荷物を置くな」と私は言うのですが全く聞く耳を持っていません。
どうやら自分の言い分は100％正しいと思い込んでいるらしく、未だに私を泥棒呼ばわりです。
終いには「警察を呼びますよ」とまで抜かしております。
携帯の電波も通じない走行中の地下鉄で呼べるものなら呼んで欲しいものですが、あえてそれは言わない事にします。
大体私には後ろ暗いことなど何も無いので、むしろ合法的に学校がサボれるかもなどと思っている始末でした。それはそれでどうかと思うね。
車内なのであまり騒ぐことも出来ないので断片的な言葉でお互いに相手を否定するのですが、
いかんせん向こうがアッパラパーなので全く言葉のキャッチボールが出来ず困ったものです。
そして出ました、とても常人では吐けないような言葉が。
「あちらに行ってくださる？」
お前は何様だと。どこのセレブ気取りだと。
セレブ気取りたいならラッシュアワーの東京メトロ地下鉄半蔵門線渋谷方面中央林間行き各駅停車の電車になんか乗るなと。
ここまで高慢ちきな言葉を吐かれたのは生まれて初めてですよ。
当然私はおとなしく従うわけがありません。
というかギャグだと思って笑ってしまいましたよ、ええ。
平行線を辿るだけなことが見えているので双方とも相手を説き伏せることはあっさりと諦めました。
しかし移動していないので未だに隣り合っているのです。
で、あろうことかそのネジが吹っ飛ぶ以前に装着されていないような頭の女はまた私の方にバッグを置いてくるのです。
なに かんがえてんだ！
アシュラは せかいをみだし おもしろくしてくれました だが それもつかのまのこと かれにも たいくつしてきました。
そこで ゲーム‥か？
そう！そのとおり！！ わたしは あくまを うちたおす ヒーローが ほしかったのです！
なにもかも あんたが かいた すじがきだったわけだ。
(中略)
かみはバラバラになった
おい、急に 「魔界塔士Sa・Ga」ネタを混ぜるな。
ともあれ、その不思議ちゃんぶってる娘よりウザったい女の行動は理解に苦しみます。
私はまたバッグをどかさせようとシッシッと手で払おうとすると「触らないで」などと口走るではありませんか。
自分から押し付けて人に不快感を与え、それに嫌悪感を示すと自分が被害者かのように振る舞う行動には呆れてしまいました。
行動が自己中心的で矛盾している、更にはその自覚も無く直そうとする気も無いようです。
そこで私は悟りました。
こいつは本物の低脳だと。
人を馬鹿にして「低脳」呼ばわりする場面をネット等で多数見てきましたが、本物はレベルが違います、
とてもマトモな精神で太刀打ちできるような相手ではありません。
目的の駅に到着し、針の筵に座っているかのような座席からやっと離れることが出来ました。
私も何回もこの電車に乗っていますが、ここまでの非常識人と出会ったのは初めてでした。
そんなことがあって４日後の今日。
今朝も同じ時間の電車に乗るためにホームで待っていたその哀れな女がいたので、離れた場所の座席に座りました。君子危うきに近寄らずです。
遠くからちょっと見てましたけど、相変わらず隣に人がいてもお構いなしにバッグを置いていました。
きっとあいつのバカは死ぬまで直らないでしょう。
